何かに似ているおもしろい石を探すことを、むずかしいこととあきらめないで。
石に、たったひとつ点があるだけで、こんなふうにイメージはふくらみます。
私にはトドの姿が見えました。
削っても描いてもいない海岸で拾ったままの自然石なのだけど、この「とど石」、見れば見るほどいい感じなのですよ。
まあるい目は、真ん中が白いアイキャッチになっていて、つぶらな瞳がとてもキュート。
地中でマグマに熱せられた熱水の鉄分が石を染めたとき、その熱水の鉄分の濃度が低かったのかな?ひとつ前のスヌーピーストーンのスヌーピーの目はムラのない完全な着色だったのに、このとど石は濃淡ができて、それが一層本物のトドのまるくつやつやした目にそっくりなのはすばらしい偶然です。
そして、トドやセイウチって、鼻の下にひげが生えていて、毛穴が大きくブツブツになっているのが特徴ですよね。
この石も、なんだか鼻のあたりに大きな黒い点々が無数にあって、まさにトド!な顔なのです。
この点々は、きっと電気石か何かの成分が混ざっているかな?
「かな?」というのは、私は自分自身では石の鑑定はまったくできない、わからないのです。
いつも新潟県糸魚川の海岸で石を拾うと、それを糸魚川市のフォッサマグナミュージアムに持って行って、学芸員さんに、その石の年代と、成分と、どうしてこのような模様ができたのかをおしえてもらうのです。
「トド石」は、まだ見てもらっていないので、私は「流紋岩に地下からの熱水の鉄分がしみて赤い丸をつくり、電気石が点々と黒く混ざっている」と思っているのだけれど、見て教えてもらうまでは??です。答え合わせも楽しみ!
【これは海岸散策のススメです】
海風、波の音、潮のかおり、どこまでも広がる大海原と水平線・・・深~くリラックスしていると、足元にころがっている石の模様にナニカを見つけたりするのです。
それは、それまで頭の中で堅くスクラムを組んで固定化していた回路が、手をほどいてみんな思い思いにリラックスしている感じです。
そして、気持ちよく伸ばした手で、あたらしい相手と新鮮な気持ちで手をつなぎ直す・・・頭の中がそんなふうになっている感じがするのです。
何億とか何千万年のあいだに起こってきた地殻変動は、私たちの時間軸から見るとはるかに大きな地球の営みです。
その歴史が、手のひらにのるような小さな石に刻まれて、偶然おもしろい模様が生まれます。
そんなおもしろ石は、Imaginative stoneというか、The stone which excites imagination想像をかきたてる石で、奇跡の石Miraculous stoneでもあるのです。
海岸を散策しながら、地球46憶年、日本列島2000万年の歴史を感じてみるの、オススメです。
Hanapanda