6000万年前の流紋岩に地中で熱水が染込み、熱水の鉄分がウサギの模様を描き出しためずらしい石。2011年の干支は兎です。
石にまるくおさまって、まるで月にすむうさぎのような模様です。
古来、中国では、月のうさぎは、不老不死の妙薬を(月で)作っていると言われていました。
それなので、月のうさぎ「月兎」は、長寿祈願を願う、とてもありがたい模様です。
【この石の出来方】
この石が、まだ地中の大きな流紋岩の塊だったころ、地中深くから、マグマが上昇してきました。熱いマグマは、熱い水蒸気を噴き出しています。熱いマグマで、地下水も熱く熱せられます。そんな熱い水蒸気や地下水を「熱水」といいます。私たちがよく知っている温泉も、この熱水のひとつです。熱水が、地中の割れ目を上昇して、この石の塊に染みこんでいきました。
熱水にはさまざまな成分が含まれていて、その中の鉄分が石にしみこんで、石を赤く染めました。鉄分が石に染み込んだその形が、たまたまウサギの形だった石です。
石にしみこんだ鉄分は、石を赤くそめますが、酸化がすすむと、鉄がさびるように、茶色く色を変えてしまいます。うさぎの目が「赤」いままだったのも偶然の造型です。