「模様のある石・絵石=ピクチャーストーン・紋様石」の醍醐味は、その模様に秘められた「謎解き」にいどむことです。
”地殻変動の要所”である糸魚川は、”地殻変動の産物の宝庫”です。
海岸で拾う「模様のある石・絵石=ピクチャーストーン」もその一つ。
糸魚川の海岸で拾える模様石・絵石、つまり糸魚川ピクチャーストーンの模様は、ただおもしろいだけの模様ではないのです。
その模様は、この石が何千万年の間に遭遇した「地殻をゆるがす大事件(それは生々しい地球の鼓動)の痕跡・記憶・記録・タイムカプセル」です。
だから、糸魚川ピクチャーストーンを拾ったら、その模様が”何を語っているのか”、模様に秘められた謎解きにいどむのです。
たとえば写真のカエル石の謎は
【謎 1】この石の種類は、何?
【謎 2】この石の色は、白、灰色、茶色の三色。なぜこの三色なの?
【謎 3】この石の、もともとの色は 何色?
【謎 4】灰色の部分は、なぜ灰色なの?
【謎 5】白色の部分は、なぜ白色なの?
【謎 6】茶色の部分は、なぜ茶色なの?
【謎 7】目の穴は、どのようにしてできたの?
石を見れば見るほど謎は深まります。私たち地学のシロウトが読むことのできる一般書だけでは、到底、全部の答えにはたどり着けません。だから、普通なら途中でギブアップして、謎は謎のまま、せっかくの好奇心をしぼませ、あきらめてしまうしかないのです。
ところが!!!
糸魚川の最大の魅力は、自分が見つけたピクチャーストーンを、近くにあるフォッサマグナミュージアムに持っていくと、”その模様に隠された地球の物語りを、学芸員さんが読み解いてくれる”のです。
たとえば写真のカエル石の「謎解き」は、
【謎 1】この石は石英斑岩。マグマが冷えて固まってできた石。
以下謎2~7は、この石がまだ地中の岩盤だったときに遭遇した出来事。
カエル石の”色と模様”は、地中から地表に向かって上昇してきたマグマで熱せられた地下水、もしくはマグマから発せられた水蒸気による”熱水”が浸透してきた歴史を語る痕跡だったのです。
【謎 2】もとの岩石に熱水が浸透して変色した部分があるため。
【謎 3】灰色部分。だけどこの灰色も、やや変色している。
【謎 4】熱水が浸透してやや変色しているけれど、もとの岩石の色が残った部分。
【謎 5】二酸化ケイ素(石英の成分)を多く含んでいる熱水が浸透してきて珪化(二酸化ケイ素の付加)して白色化したのではないか。
【謎 6】鉄分を含む熱水が浸透してきて、鉄分が酸化して茶色くなっている。
【謎 7】もとの岩石に含まれていた斜長石や石英の斑晶が、脱落か溶けて穴ができた。
と教えていただけました。
手のひらに乗る石の、いたってのんきなカエルの絵。
だけどその絵が、
「地球に内包された莫大なエネルギーが、何千万年の時をかけて作り出した模様」だとわかると、言いようもなくロマンを感じるのです。これが糸魚川ピクチャーストーンの醍醐味です。
【by tamatama7373(たまたまなみなみ)】