三連休に町内の小正月行事がありました。
新潟県で”さいの神”といわれる伝統行事です・・全国的には”どんど焼き”と言う方がわかるでしょうか。
本来は1月15日に行われていたのですが、今は三連休にあわせて行われます。
竹で組みワラをたくさん巻き付けたやぐらに、火を放ち、この火にあたると今年一年カゼをひかない・・というように、無病息災、害虫疫病除け、五穀豊穣などを祈る伝統行事です。
うちに隣接する裏の公園で行われるので、部屋からもよく見えるのですが、”火にあたる”ことが大事なので、やはり火の近くまで行きました。新潟県内各地でおこなわれているのですが、この行事のいいところは、町内、集落というちいさな単位で行われている地域密着の伝統行事だということ。このさいの神をやっている同じころ、1キロも離れていないところでもその町内のさいの神の行事が行われているのです。ほんとうに、そこここでみんなやっているのです。
写真はやぐらの火しか写っていませんが、この火でお餅やスルメを焼いて食べると健康に過ごせる・・・というので、竿の先にスルメをぶら下げたたくさんの子どもたちがぐるりと火を取り巻いているのです。
昨年のしめ縄や、お守りや、だるまなどなども、この火でお焚き上げしてもらいます。
習字をこの火にかざし、高く舞い上がったら上達する・・というので、昔はやぐらに習字もぶらさげられたりしていたのですが、今は、人に見られるのが恥ずかしいのか、それとも冬の宿題に習字がなくなってお正月に習字を書かなくなったのか、習字を見かけることはなくなりました。
高いやぐらに下から火が放たれると、瞬く間に火は燃えあがっていきます。
やがて、やぐらに組まれた竹の節が破裂しはじめます。
それは、かなり激しい破裂音で、パン!!という大音響とともに、はじけ、その瞬間、やぐらの火が強く激しく火勢を増して大きく揺らぎうねります。
すると、それまで、するめの竿を肩にかけてはしゃぎまわっていた子どもたちも、大音響とともに瞬間うねって激しさを増す炎に、いやおうなく畏怖の念をいだかされるのか、急に神妙な面持ちで炎を見つめかしこまるのです。
そんな炎のうねりのなかに、ときどき写真のようなまるで不死鳥(フェニックス)のような姿があらわれます。
不死鳥降臨。
不死鳥は、寿命が来ると自ら火に飛び込んで再び生き返る伝説の鳥。一日の終わりになると火に飛び込み、翌朝再び生き返るという伝説もあって、これは太陽を象徴しているのではないかともいわれています。
幾度も炎の中からよみがえり、生きながらえる不死鳥。
再生と復活の象徴です。
写真の炎も、不死鳥の長い尾をひくようなダイナミックな姿がみごとです。
一瞬のことなのでしょうが、暗闇を舞い踊るまぶしく明るい炎の姿は、目に焼きついて印象的に心に残るのです。
新しい年に、力強い希望の姿が見えました。