滋味日日・・はなぱんだ の「いいこと ”お福わけ”」

"はなぱんだ”のパンダ・パンダ・パンダ

「カエル石」Imaginative stone おもしろ石 Vol.12

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 やれやれ、この頃いつも、こんな雨の降り方ばかりしてたんじゃ、ちっとも気分よく歌えないじゃないか。
 そんなカエルボヤキが聞こえてきます。
 そういうわけで、カエルボヤキ石。


 今日は、激しすぎる雨が、日本列島を北上していきました。
 こんな雨の後じゃ、人もカエルも庭の虫たちも、すっかり疲れ切ってしまって、もう歌うどころじゃありません。
 お詫びにと、とびきりの秋晴れをプレゼントしてほしいものです。


 新潟県糸魚川の海岸散歩で拾ったままの、削っても描いてもいない自然石です。
 3億年前、海の中、海底火山から流れた溶岩が玄武岩になりますが、その玄武岩の火山灰が積もって固まった「凝灰岩」・・・それがこのカエル石の黒い部分です。
 その凝灰岩に地殻変動で亀裂が入り、そこに地中から熱水が入ってきて、その成分(石英)固まって、白い筋(脈)ができました。
 それが、割れて、崩れて、川を下り、海中で波に転がされ、ちょうどカエルの頭のような形になったとき、海岸に打ち上げられ、私に拾われた。というわけです。


 カエル石は、幅2.5センチで、黒飴みたいなちっちゃな石です。
 このカエルの顔を見ただけで、この小石がここに至る迄の3億年の道のりを読み解いて話してくれる学芸員さんって、ほんと、魔法使いかSFに出てくる超能力者かと思えて、こちらもミラクルです。


【これは海岸散策のススメです】
 海風、波の音、潮のかおり、どこまでも広がる大海原と水平線・・・深~くリラックスしていると、足元にころがっている石の模様にナニカを見つけたりするのです。
 それは、それまで頭の中で堅くスクラムを組んで固定化していた回路が、手をほどいてみんな思い思いにリラックスしている感じです。
 そして、気持ちよく伸ばした手で、あたらしい相手と新鮮な気持ちで手をつなぎ直す・・・頭の中がそんなふうになっている感じがするのです。
 何億とか何千万年のあいだに起こってきた地殻変動は、私たちの時間軸から見るとはるかに大きな地球の営みです。
 その歴史が、手のひらにのるような小さな石に刻まれて、偶然おもしろい模様が生まれます。
 そんなおもしろ石は、Imaginative stoneというか、The stone which excites imagination想像をかきたてる石で、奇跡の石Miraculous stoneでもあるのです。
 海岸を散策しながら、地球46憶年、日本列島2000万年の歴史を感じてみるの、オススメです。
Hanapanda

「夜明け石」 Imaginative stone おもしろ石 Vol.11

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 の石・・・宝石じゃない、宝の石。


 ハリーポッターにもでてきた「賢者の石」。
 ラピュタの「飛行石」。
 の石をめぐる冒険物語は、いつも私たちをわくわくさせてくれます。


夢の浮橋」は、実在する石の名前(銘)。
中国から日本にもたらされ、戦乱のさなかも後醍醐天皇が懐中に携えて愛でたという名石。
まさにの石です。


 宝探しに行こう!
 なんて言ったらイマドキ笑われちゃいますね。
 でも、そんなふうに子供の頃、冒険物語に胸躍らせたあどけない情熱は、海岸の石探しなら簡単に実現できます
 危なくないし、安全だし、何の装備もいらなくて、ただふらりと立ち寄るだけ。だって海岸散歩だから。
 新潟県糸魚川の海岸を散策する人の多くは、ほんとうにガチで(?)ヒスイを探して歩いています。
 私のようにただ自分の好きな石をひたすら探す方がレアなのです。
 でも、私が好きなのは、きれいだったり、おもしろかったり、創造的だったり、ただただ自分がわくわくする石、私にとっての宝の石なのです。


 写真の石は、自然にできた模様が絵画のようで感動しました。
 連なる山の向こう、紫の空は、夜の闇と朝焼けが混ざり合った夜明け間際のあの絶妙な色彩そのもの。
 さらに、山の稜線が白んでいるのは、まもなく迎える来光のきざし。
 海岸で拾ったままの、削っても描いてもいない自然石に、こんなに記憶とシンクロする風景の模様があるなんて不思議です。
 そんな景色が、手のひらに収まる小石のなかにひろがっているのですから素敵です。


・・・学芸員さん曰く、
 石が紫色なのと、点々と見える粒は鉄分。
 山に見えるところは、地下の熱水があがってきて、その鉄分が縞状に染めて、酸化して茶色くなったもの。
 山の稜線に見えるところは鉄分がしみ込みやすかったため濃くくっきりとした線になり、その部分が浸透しやすかったがゆえに、その脇の部分の鉄分もそちらに染み込みやすく、結果、そこ(私が夜明け前の空の白んだ感じと思ったところ)は白くなったまでのこと。
・・・だそうです。
 地中深く、何千万年の時をかけて、地球が刻々と変化してきた痕跡というわけです。
 でも、その痕跡が、このように美しい模様を形作っているのですからミラクルです。


 こんな風に、絵画のような小石も、糸魚川の海岸にはたくさんころがっているのです。
 海岸に星の数ほどころがっている小石の中から、自分にとっての宝の石を見つけ出すのですから、わくわくしないはずがありません。
 すぐにでも行きたい!!宝探し!!

Hanapanda