滋味日日・・はなぱんだ の「いいこと ”お福わけ”」

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「奇跡の石の物語」14  第2章「石の絵本」のほんとうの物語 p.1

「小雨石」のほんとうの物語

高さ3センチ
巾2.5センチ


この”しま模様”は、
遠いむかし、
深い地中から、
熱い旅
をしてきたことを語っています。


遠いむかし って?


その頃、
日本列島は、
まだ島になっていませんでした。


ユーラシア大陸
今のロシアや中国のあたりにくっついた
大陸の”へり”でした。


そんな2000万年前頃に
大きな地殻変動が起きました。


小雨石ができる
はじまりです。


深い地中 って


小雨石は、
はじめは、
地球の深いところで
ドロドロに溶けていた
マグマでした。


そして、
小雨石のもとになったマグマは
”ねばり気の強い”マグマでした。



熱い旅 って


火山が噴火するように、
地中のマグマが
ある日
地球の表面まで
おしあげられてきました。


地中からおしあげられて地表に出てくるとき
マグマは
少しずつ冷えていきました。


ねばり気の多いマグマが
冷えてかたまるとき、
粒の大きいもの 
粒の小さいもの 
それぞれに集まって
しだいに
層をつくります。


小雨石の


あかるい色の”しま”は
大きい石英の粒でできています。


黒い色の”しま”は
小さい粒でできています。


地表におしあげられてきたねばり気の強いマグマは、
こんな風に層をつくりながら、
なおも、滑りながらぐるぐると対流して
たくさんのしま模様をつくって
やがて
冷えてかたまります。


ぐるぐると対流しながらマグマが冷えてかたまったので
流紋岩 と言います。


小雨石の
しとしとと静かに雨がふる模様は、
ねばり気の大きいマグマが、
地中からおしあげられてきたときに、
冷えながら、
大きな粒と小さな粒にわかれて
しま模様をつくって固まっていった
2000万年前の
大きな地球の地殻変動を語っているのです。


しましまの層は、
やがて地震や大きな地殻変動がおこって、
崩れ、
崩れた岩は
川に流され、
削られ、小さくなり、
海に流れ着き、
さらに
削られ、小さくなり、
海岸にうちあげられて、拾われました。


これが、
小雨石の
ほんとうの物語です。


新潟県糸魚川市の海岸でひろいました。


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