「リス」
の目は 斑晶。
シマは 地中で浸透してきた熱水の鉄分が酸化した茶色。
「松ぼっくり」
石英斑岩。
リスの顔と同じく熱水の鉄分が茶色に。
糸魚川ではこんな感じの石英斑岩を「薬石」と俗称でよんだりします。
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糸魚川の海岸には「模様のある石(絵石)=ピクチャーストーン」がたくさんあります。
そんな”糸魚川ピクチャーストーン”を拾って、”拾ったままの色と形”を、無加工(描かない・削らない・磨かない)のままあそびます。なぜなら・・・
形?模様?色?なんとも言えない微妙な曲線?・・・石の何気ない、ささやかな、取るにたらない、見逃しそうな小さな表情を、あなたの目がひろいあげた。模様に触発されて、うきうきして、みるみる想像がふくらんでいく・・・”あなたのその想像の先”は、こんなふうに紙に描いて、その上に石を置いてみるのです。
石は、ただそのまま置きます。石に描いたり・削ったり・磨いたりしないで、石は海岸でひろった自然石そのままで。
石から広がってゆくあなたの世界のその先は・・・
その石は何千万年も前のマグマで、石の模様は、地中でマグマに熱せられた熱水が茶色く染めたもの。いわば地球が作り出した模様です。
模様に見えているけれど、それは、地球が今もまだ内部をふつふつとたぎらせ、ダイナミックに身をよじり、憤怒それとも躍動する喚起の雄叫びのごとく天を突きあげ、吹き出し、大地をゆるがした痕跡が記されているのです。
模様に見えているけれど、それは地球の何千万年の鼓動をつづった物語なのです。
あなたが拾った小さな石のその模様は、「何千万年の地球の歴史のなかでおこった大事件を、模様にして封じ込めた記録・タイムカプセル」なのです。
糸魚川ピクチャーストーンの ”一番の醍醐味” は、その石の、その模様が生まれた何千万年の物語りを、近くにあるフォッサマグナミュージアムで、学芸員さんに読み解いてもらうことができることです。
石の模様は、地球がダイナミックにうねりながら大地の形を変えてきた痕跡。
そんな地球の何千万年の物語りを秘めて、今、手のひらにのる小さな石。
”地球の歴史”と”あなたの想像力”が、この石の上で出会う。
海岸で、あなたが地球上ではじめてこの石を発見して一緒にあそぶそれは、「地球と共作するアート」。
こんなふうに石とあそんでみませんか。
糸魚川の海岸には、何億何十億個の石があって、その中から自分が心ときめいた石を拾う。
その石は多分、人それぞれ違っていて、どれもが、みなそれぞれの魅力を秘めている。
一人でも多くの人が探したならば、それだけたくさんの魅力が発見されるでしょう。
だから、多くの人に、糸魚川ピクチャーストーンであそんでほしいのです。
絵本「はまべにはいしがいっぱい(1961年)」は、「あおくんときいろちゃん」「スイミー」で有名なレオ・レオニが、想像・創造したさまざまな模様の石を描いた、最初から最後まで鉛筆画の石だけの絵本です。文字・数字・魚・鳥・動物・人の顔をした石・・・こんな石があったらおもしろいね、こんな石が世界のどこかには本当にあるかも知れないよと、どこまでも自由な発想・空想は、子どもたちをわくわくさせてくれます。
そんなレオ・レオニの絵本の世界が、現実の世界「糸魚川」の海岸にそのままあります。
最近は、リアルをバーチャルにすることが流行っていますが、糸魚川ではバーチャルがリアルになっているのです。
糸魚川ピクチャーストーンは、文字・数字・魚・鳥・動物・人の顔・・・レオ・レオニの空想の世界を、何千万年もかけて”地球”が本物の現実の石にして海岸に届けているのです。
糸魚川ピクチャーストーンの作者は、「地球」。
デザインに絵本、幅広い芸術活動で活躍したブルーノ・ムナーリの「FROM AFAR IT WAS AN ISLAND (遠くから見ると島 1971年)」は、さまざまな模様石の写真集です。石そのままの写真だけでなく、石の白い脈を地平線や木立や波などに見立てて、そこにブルーノ・ムナーリが人や動物を黒いシルエットで描き加え、石のなかに一つの世界を作り出しています。
そんなブルーノ・ムナーリの世界も、ここ糸魚川の海岸にそのままあります。
ブルーノ・ムナーリが石に描き加えた、魚の目やエラ、地平上の生き物の姿を、糸魚川では何千万年もかけて”地球”が本物の現実の石(ピクチャーストーン)にして海岸に届けているのです。
糸魚川ピクチャーストーンの作者は、「地球」。
【tamatama7373(たまたまなみなみ)】