糸魚川紋様石
石が描く世界は すれすれ
【鶴 そしてフロントライン】
「カツオドリ」上下反転して「セクメト」の紋様石。
”こんなに見えた!” は、まだ ”これだけしか見えていない”。
90度まわすと「鶴」の紋様。
カツオドリのくちばしの下が、鶴の首。鶴のくちばしから長い首にかけて、亀裂が入っていて(写真を拡大すると見える)、そこに沿って地中で熱水が染込み、鉄分が紋様を描き出したのでしょう。
ところで、石にできた ”茶色い鉄分の紋様”。
これは、つまりフロントライン。”前線”、”最前線”。
この石の紋様は、いわゆる「前線」だということに気付いていますか?
たとえば火山が噴火して溶岩が流れ出たとき、溶岩が地表を流れに流れて、どこかで冷えて固まり止まる。
おなじように、この石がまだ地中の大きな岩盤だった時、地下深くからから、「マグマで熱せられた地下水」や「マグマから発せられた水蒸気」といった「熱水」が、岩盤に染み込みながら上昇してきて、まさに、この紋様の、このラインまで上昇してきて”止まった”ラインなのです。
”ここまできて止まった!”
手のひらに乗る小さな石に、マグマがたぎりうねる地中の壮大な活動の軌跡が刻まれている・・・それを感じると、わくわく、どきどきするのです。
カツオドリ、セクメト、鶴・・・いえいえ、茶色い線が記しているのは、数千万年前に地中で上昇してきた熱水が、「ここまできて止まった」ということ。・・・ここまで ”見えて” いた?
糸魚川のラベンダービーチで拾ったまま、描いても削っても磨いてもいない無加工の自然の紋様石(奇石)。
地球の歴史が記された糸魚川紋様石(奇石)。
それは”奇石”という名の”奇跡”だから・・・
ラベンダービーチを埋め尽”くす何億・何十億個の小石に、こんな模様・紋様が隠れている。
地球が何かを意図してつくり出した紋様石じゃないから、”何”を見つけ出すかは、”その人次第”。
”あなた”が見い出した模様・紋様には、きっと”あなた”があらわれている。探す人が多ければ多いほど、たくさんの模様・紋様が見つかるから、みんなで探したらもっと楽しい。
【糸魚川紋様石】
糸魚川はフォッサマグナで有名です。日本で、世界で、有数の地殻変動がさかんなところだから、海岸を埋め尽くす小石の多くに個性的な模様や紋様があります。紋様をつくり出したのは、火山噴火や地殻変動やマグマや熱水の上昇と、何千万年という長い時間。つまり小石の模様は、地球の息づかいの痕跡、地球の歴史。
石の模様・紋様から、これができたプロセス(過程)をさかのぼって推理する地理・地学はワクワクする。
【石を拾った場所】
新潟県糸魚川市。えちごトキめき鉄道「青梅駅」から1㎞のラベンダービーチ。ラベンダー色の翡翠が拾えるので、こんなロマンチックな名前がついています。駅と海岸の間にセブンイレブンがあって、海岸横に海岸利用者用の公衆トイレもあるので、安心して海岸散策と石拾いができます。
【糸魚川紋様石をさがすには】
鉱物の知識や、山登り・秘境探検のスキルがなくても大丈夫。
必要なスキルはたった一つだけ。それは見立てにとどまらない”想像力”。 必要なスキルは ”想像力” だけ。
【by tamatama7373(たまたまなみなみ)】
ブログ左のカテゴリーにある「偶偶石(たまたまいし)」「偶偶絵石(たまたまえいし)」もすべて糸魚川紋様石です。