焼き饅頭!
おやき!と思った人もいるでしょうか。
焼き饅頭なんて、もう何年も見ていないし食べてもいないのに、突然、海岸にころがっている石に、焼き饅頭が見えたのですから、想像力って不思議です。
だって、焼き饅頭のような石を探して、焼き饅頭のような石を見つけられたわけではないのです。
海岸を歩きながら石を探しているとき、実は、頭の中はからっぽです。
海岸を歩きながら、星の数ほどころがっている小石をただながめているので、無心です。
そして無心になっているときほど、何かに何かが見えたりします。
自分でも忘れるほど記憶の奥深くにある画像・・・もう何年も見ていない焼き饅頭と、目の前の石が、頭のなかでシンクロしたのですね。とかなんとか言って、実は密かに懐かしんでいたのでしょうか・・・昔ながらのどっしりとしたあの焼き饅頭。そういえば最近見かけなくなりました。
まだらに茶色くそまった白い石に、想像力のスイッチが入ったのでした。
地下浅いところでマグマが冷えて固まった火成岩で、玢岩という種類の岩石です。2000万年前くらいにできたものでしょうか。
玢岩=ひんがん。
その割れ目に浸透した熱水の鉄分が、茶色く石を染めて、焼き饅頭のような焦げ目模様になったのでしょう。偶然の産物にしては、実にいい感じの焦げ目模様です。
新潟県糸魚川の海岸で拾ったままの、削っても描いてもいない自然石。
幅3センチのちいさな石です。
【これは海岸散策のススメです】
海風、波の音、潮のかおり、どこまでも広がる大海原と水平線・・・深~くリラックスしていると、足元にころがっている石の模様にナニカを見つけたりするのです。
それは、それまで頭の中で堅くスクラムを組んで固定化していた回路が、手をほどいてみんな思い思いにリラックスしている感じです。
そして、気持ちよく伸ばした手で、あたらしい相手と新鮮な気持ちで手をつなぎ直す・・・頭の中がそんなふうになっている感じがするのです。
何億とか何千万年のあいだに起こってきた地殻変動は、私たちの時間軸から見るとはるかに大きな地球の営みです。
その歴史が、手のひらにのるような小さな石に刻まれて、偶然おもしろい模様が生まれます。
そんなおもしろ石は、Imaginative stoneというか、The stone which excites imagination想像をかきたてる石で、奇跡の石Miraculous stoneでもあるのです。
海岸を散策しながら、地球46憶年、日本列島2000万年の歴史を感じてみるの、オススメです。
Hanapanda