6000万年前の流紋岩に、地中で熱水の鉄分がしみ込んでできた模様。
新潟県糸魚川の海岸で見つけたときから、わたしには酒瓶にしか見えないのですがいかがでしょうか。
海岸で拾ったまま、削っても描いてもいないのに、瓶の上の方にはちゃんと注ぎ口らしき丸い穴のような模様まであります。
この地は、背後に、大きく連なる標高の高い山々がそびえています。
雨が降り、雪が降り、天からの水は、山に染み込んで、長い時間をかけて地中をとおりぬけていきます。
糸魚川には、そんな当地の地下水で仕込んだ地酒もあります。
私たちが見ることのできない地中深くを旅し、地中の岩石を通り抜けながら、ろ過され、石の成分や作用を含んだ水は、地味深い当地ならではの味わいになっていることでしょう。
水やお酒を口にするとき、私たちは、その土地の地中深くの石たちを密かに味わっているのです。
水やお酒というものは、地中からのお届け物でもあるということを思い出させてくれる。そんな酒石なのです。
【これは海岸散策のススメです】
海風、波の音、潮のかおり、どこまでも広がる大海原と水平線・・・深~くリラックスしていると、足元にころがっている石の模様にナニカを見つけたりするのです。
それは、それまで頭の中で堅くスクラムを組んで固定化していた回路が、手をほどいてみんな思い思いにリラックスしている感じです。
そして、気持ちよく伸ばした手で、あたらしい相手と新鮮な気持ちで手をつなぎ直す・・・頭の中がそんなふうになっている感じがするのです。
何億とか何千万年のあいだに起こってきた地殻変動は、私たちの時間軸から見るとはるかに大きな地球の営みです。
その歴史が、手のひらにのるような小さな石に刻まれて、偶然おもしろい模様が生まれます。
そんなおもしろ石は、Imaginative stoneというか、The stone which excites imagination想像をかきたてる石で、奇跡の石Miraculous stoneでもあるのです。
海岸を散策しながら、地球46憶年、日本列島2000万年の歴史を感じてみるの、オススメです。
Hanapanda