「白鳥(しらとり)は哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」
歌人 若山牧水の代表作です。
この短歌を最初にうたったのは明治40年。その後早稲田大学卒業時の明治41年23歳の時に刊行した歌集「海の聲(こえ)」に収録されています。
この白鳥(しらとり)は、カモメだといわれています。
ただひたむきに海上を滑空する孤高のカモメ。
空と海の境目を、ただひたすらに行き来する・・・
その姿に、せつなさと孤独を見たのは、作者の心情だったのでしょう。
きのう(1月25日)日本海の角田浜手前の岸壁近くを滑空していた写真の鳥は、どうやらセグロカモメかオオセグロカモメのようです。
サントリーのHPの愛鳥活動のページに
www.suntory.co.jp
、羽を広げた図が載っていてよくわかります。
このオオセグロカモメは、オホーツク海沿岸やカムチャッカ沿岸、日本の北海道や東北などで生息・繁殖していて、世界的に分布の狭い種だそうです。
カモメ類なので、基本的に魚を食べ、夜間に漁をしている漁船のまわりに集まって餌をとるそうです。
このところ海が荒れて、休漁続き・・・・
もう何日、お店の魚売り場に地物の魚が並んでいないだろう・・・
そうか、漁船が漁に出ることを心待ちにしているのは、人間だけじゃなくて、カモメたちもそうなんだ!!
私が歌人だったら、”哀しい”のは孤独のせいじゃなく、魚が食べられないこと・・・お腹がすいていること・・・
サントリーの愛鳥活動のHPにも書いてある。
オオセグロカモメの見出しは、
「背中の黒い大型カモメは海のギャング」・・・なんだって。たくましいのだ!
白鳥(しらとり)=カモメは、荒波の日本海をながめながら、ブルーな気分になって哀しみ心が弱ったりしない。
カモメも私も、ただただ海に向かって思うのは、「早くおいしい魚が食べた~い!!」