パラオ共和国で1993年に発行されたクリスマス切手(本物)です。
???
ヤギの頭に樹の枝がついている!
しかも、わら縄で!
鈴をつけて!
これ、トナカイの代わり!?
日本の四国から、真南に3000㎞行った赤道近くにパラオ共和国はあります。
日本の真南にあるから、日本と時差はありません。
パラオの年間平均気温は28度。
赤道近くなので年間を通じて気温差はほとんどありません。
とても親日的な国で、パラオの国旗は日本の国旗をもとに、水色に黄色い丸が描かれています。
赤道近くのクリスマスは、みんな半袖で花飾りを持って、きっとこんな感じなのですね・・・・なのでしょうか?
本当にヤギに樹の枝のツノをつけてクリスマスを祝っているの??
クリスマスになると思い出すミステリーなのです。
国が発行する切手の図柄なのだから、ウソではないと思うのだけど、ほんとうに、ほんとうに、パラオのクリスマスは、こんなヤギのトナカイがあらわれるのでしょうか???
パラオ共和国がアメリカから独立したのが1994年。
この切手は1993年発行。
だから、パラオの風習をちょっと曲解されているのかなぁ・・・なんて南国のクリスマスに想像をめぐらせます。
ちなみに、サンタクロースが船で砂浜に乗りつけるなんて、空からやってくるより、ずっと現実的だなぁと思うのは、早合点です。
船でサンタクロースがやってくることには、深い意味があります。
これこそ、サンタクロースのルーツそのものを象徴的にあらわしている図柄なのです。
サンタクロースのルーツは四世紀頃トルコで生まれた司教の聖ニコラウス(セント・ニコラウス)です。
13,14世紀頃オランダで「ジンタ・クラース」と発音され、12月6日のジンタクラースの祝日に子どもたちにお小遣いなどが振舞われ祝われました。
16世紀になると聖人の信仰が禁止されましたが、ジンタクラースの祝日はのこり、17世紀にアメリカに移住してきたオランダ人とともに”振舞い”や”贈り物”の風習は引き継がれました。
やがてアメリカでこの風習は定着し、18世紀になるとアメリカの活字にサンタクロースの文字があらわれるようになるのです。
セント・ニコラウス⇒ジンタ・クラース⇒サンタ・クロース
というわけです。
サンタクロースのルーツである聖ニコラウスは、海難事故から船乗りを守る守護聖人でもあります。
(だから、海運国家のオランダで根強く信仰されてきたのでしょう)
そんなわけで、このパラオの切手は、あながちパロディーとは言い切れず、実は忠実にモチーフを表現していたりするのです。
だから、樹の枝をつけたヤギのトナカイ・・・今日あたり、現地にはいるような気がします。