海岸で「お宝さがし」
見つけたのは「霜降和牛な石」。人が描いたり削ったりしていない天然の模様。
場所:糸魚川ジオパーク
赤身に脂肪のサシが綺麗に入った極上のトロ牛肉そっくり。サシだけでなく上部に1センチ厚の脂肪がある二層構造なのは、かなり丁寧な自然の悪戯。これが波で丸く削られていく岩石なら牛肉には見えなかった。
フォッサマグナミュージアムの学芸員さんに見ていただいたら、この石は6000万年前位にできた流紋岩。冷え固まった後、鉄分がしみこんで赤くなったもの。山に見える石と同じ方法でできているなんて不思議だ。鉄分が線でなく万遍にまだらに染込んで、しかも茶色でなく赤かったから、霜降和牛な石になった。
ちなみに上層の脂肪に見えるところは、この石がまだ大きな塊だったころ外側だった部分で、内側方向から鉄分が染込んでいったから、外側に近いほうは鉄分が染込まずに残った。海岸には不思議が転がっている。